スタイリストの仕事内容やアシスタントの役割をスタイリスト事務所が解説

スタイリストはテレビや映画、コマーシャルフィルム、雑誌・W E Bなどさまざまな媒体に携わって活躍できる職業。
「出演するキャストを衣装やアイテムを通じでより魅力的に見せること」がスタイリストの仕事の軸となる部分です。
スタイリストの仕事について紹介しながら、スタイリストにはどのような人が向いているのか?などについても紹介します。

スタイリストに向いている人とは?

服飾系の大学や専門学校を卒業している人が多く、基本的には日常的におしゃれを楽しんでいることがまずは最低条件。
さらに言えば、自分だけではなく誰かの服をコーディネートしたいと考えるような人のほうがよりスタイリストには向いています。
「自分のスタイル」というものは持ちながら、最新の流行もポイントで適宜取り入れることができる柔軟性というのも仕事の上では当然必要な場面は出てくるので、最新の流行に対する常にアンテナを張り続け、多くのことをインプットしておくことは「多くの人と共に仕事をしながら、一つの作品を作り上げる」という点においてはコミュニケーションスキルの高さも求められる場面は多くなります。

スタイリストに役立つ資格とは?

服やアイテムの取り合わせを考える上で重要になるものの一つが「色」。主張の強い色同士ではケンカしてしまいますし、地味で無難な色味のコーディネートばかりでは「スタイリスト」の存在意義にも関わります。

取得しておくと便利になる資格としては「色彩検定」や「カラーコーディネーター検定」など色にまつわる資格のほか、スタイリングに関して民間団体が主催している講座に参加したり、団体が発行している独自の資格を取得するというのも、特に「スタイリングの基礎を学ぶ」という意味では役立つでしょう。

あるスタイリストの1日

ここでは、実際にスタイリストがどのように仕事をしているか?について簡単に時系列で紹介。

10:00 クライアンとのミーディング
この日はこの先に撮影を控えているコマーシャルに関する打ち合わせ。広告代理店のプランナーとイメージを擦り合わせながら、キャストの着用する衣装やアイテムについてより具体的にイメージを膨らませていく。

12:00 アイテム選定
来週行われるドラマ撮影のために必要なアイテムを実際にショップやリース会社を周りながらピックアップ。この日は3つのブランドのショールームと1つのリース会社でアイテム選定や新たなリースをリクエストしていました。

18:00 アパレルの展示会に参加
日頃から衣装提供、リースでお世話になっているアパレルブランドの新作展示会に参加。招待していただいた担当者との交流を深めるとおもに、いち早く新作をチェックし、撮影などに使えるものがないか目星をつけておくことも大切。

20:00 帰宅
WEBや雑誌など自分が携わっていないものに目を通す。私生活においても細かくリサーチを行い、常に新しい情報やアイディアのインプットを怠らないようにしている。

この日はありませんでしたが、撮影当日の場合は早朝から現場入りしてアイテムを準備することも。現場で着用衣装のアイロンがけなど、撮影開始までは準備作業に追われる時間が続きます。
撮影日は現場に付きっきりになるので、衣装替えや細かな衣装の直しの作業が発生。細かなアイテムまで含めると膨大な量の片付けが待っているため撮影に立ち会いながら、確実に使い終わったアイテムについては少しずつ並行して片付けも行うことで、仕事の効率を少しでも上げられるように工夫もしておくことが大切です。
撮影が無い日でも膨大な仕事が存在することがお分かりいただけたのでは無いでしょうか?
華やかな表舞台を支える仕事ですが、かなりハードな日々を送ることになりますので、気力・体力どちらにおいてもタフさも求められます。

事務所に所属するスタイリストとフリーのスタイリストの違いとは?

スタイリストの仕事には大きく分けて2タイプあります。一つは事務所所属のスタイリストとして、振り分けられた仕事を担当するもの。
そして、フリーランスの立場で直接媒体企業や広告代理店などとやり取りをというスタイルです。
ここから、それぞれの仕事の仕方についてみていきたいと思います。

事務所に所属するスタイリストの仕事

所属している事務所があるスタイリストの場合、基本的に事務所に来た依頼を振り分けられて、担当するのがこの働き方。

利点としては以下のようなことが考えられます。
・自らが営業活動したり価格交渉したりしなくて良い
・スタイリストというプレーヤーとしての仕事に集中できる
・安定した仕事量と安定した収入

各種媒体企業(テレビ・雑誌など)広告代理店、芸能事務所などと企業同士の関係性などが最初からあるため、仕事の量は安定します。
また、駆け出しの時期においてはアシスタントとしての経験を重ねられるというのは大きなポイント。
懇切丁寧に1から10まで仕事を教えてもらいながらするデスクワークなどとは異なり、「間近で見てその技を盗む」という職人のような仕事でもあるので、「第一線で活躍する先輩の仕事を間近で見ることができる」というのも利点となります。
基本的にフリーランスで働くスタイリストの場合でも、最初は事務所に所属する形からスタイリストとして歩み始めたという人がほとんどです。

フリーランスのスタイリストの仕事

事務所での経験を重ねることにより、仕事によっては指名を受けるようなものも徐々に増えていくことがあります。そのような段階になって初めて、「事務所を離れて独立してみよう」とスタイリストとして次のステージに進むもの。
フリーとして活躍する上で重要なのは、それまでに培ってきた経験とコネクション。特に衣装を借りることになるブランドとのコネクションや、モデル・タレントさんとの繋がりというのは、事務所に所属して仕事をしていた時以上に重要となるでしょう。

事務所に所属することなく、いきなりフリーのスタイリストとして活躍するのは非常に難易度が高いものです。
フリーランスのスタイリストで活動する利点
・収入をアップさせることができる可能性がより高まる
・依頼に対し、自らの決断で受注の可否決められる

スタイリストとしての仕事自体の内容は大きく変わることはありませんが、フリーのスタイリストとして働くのであれば事務所によって振り分けてもらうという仕事の方法ではありませんので、仕事の量、収入、質などに大きな裁量を持つことができるというのは魅力です。
自分のことを指名してれるタレントさんとの仕事や、より自分のアイディアを活かした個性的なスタイリングを映像や誌面に残すこともできるのです。
ただし、注意しなくてはいけないのは自由度が向上する分、責任も自らが負うことになるという点です。
事務所に所属するわけではないため、自らが営業をして仕事を獲得することが求められます。
また、ギャラの交渉や税務処理などもしなくてはならないということを考えると、得るものが大きくなる分、自らがこなさなくてはいけない仕事の量というのは必然的に多くなるのです。
最終的に自らが新しい事務所を立ち上げることを考えるのであれば、スタイリストとしての顔だけではなく経営者的視点も必要になるでしょう。

実はもう一つあるスタイリストの形

「スタイリストは大きく分けると2つ」と前述しましたが、実はあまり日本では一般的ではありませんが、もう一つの形が存在します。それは「パーソナルスタイリスト」という仕事。
これはタレントなどメディアに露出する人のスタイリングをするのではなく、一般の方に対してスタイリングを行うことが仕事となります。
「そもそもファッションセンスに自信がない」という方に対しては、服の買い物に同行して普段使いできるアイテムを提案したり、「人生を左右するような大切な日なので、より服装などに磨きをかけたい」といった要望にはキチっとした服装を提案することになります。
先ほども触れたように日本ではあまり浸透しているものではありませんが、自らのスキルを個人間でやり取りできるスキルマーケット(「ココナラ」のようなシステム)も登場していますので、以前と比べると「パーソナルスタイリスト」という仕事も取りやすくはなっているかもしれません。
仕事を始めたばかりの「スタイリストの卵」や「アシスタント」の時期に低価格でスキルマーケットに出品し、個人向けのスタイリストの仕事をすることによって経験を重ねるというのもスタイリストが経験を積むための新しい形になるかもしれません。
副業がO Kな事務所所属のスタイリストや、フリーランスのスタイリストが「パーソナルスタイリスト」を提供している様子もありますので、興味のある方は利用してみても良いでしょう。

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